団体概要
今、日本では、作りすぎ、捨てすぎ、壊しすぎが起こっています。環境破壊が進んでいることを知りながらも、私たちはまだ使えるものでも必要がなくなると捨て、また新たなものを購入します。新たなものを作るためには、その原料を運ぶためのエネルギーであったり、原料が必要となります。それらを生み出すために、自然が破壊され続けています。私たちの国、日本は物質的には豊かな国ですが、精神的な豊かさが少しづつ感じにくい国になっているように思っています。
現在、日本国内で廃棄される衣類は年間200万トンいわれています。しかしながら、再利用率は20%程度で、残りはほぼ全量焼却ごみとして処分されているのが現状です。
私の幼いころは、おさがりが当たり前でした。近所のお姉さんの服をもらったり、兄の本をもらったり、それがとても嬉しかったです。兄の仮面ライダーの自転車が、いつ私にまわってくるのかわくわくして待っていたことも覚えています。今でも、母の昔の服を大切に着ています。なぜ嬉しかったのか...きっと大切にしていたものを私にゆずってくれたということが嬉しかったのだと思います。だれかが大切にしていたものをもらうことで、自然と私もいろいろなものを大切にしようと思いました。また、衣類だけでなく、両親が近所の方と料理などをおすそわけしあっている様子も見てきました。成人式に近所の方が涙を流して喜んでくれたことも、今でも覚えています。そのようなあたたかいつながりを感じて育ちました。家族だけでなく、地域の方に守られている安心感を感じながら過ごしてきました。
大人たちが当たり前のように、助け合い、分かち合いながら生活する姿を見てきました。そこにあるのは、助ける助けられるといった上下の意識ではなく、「おたがいさま」という双方向の優しさでした。あげる方も、もらう方も、どちらも幸せそうでした。つながりが分断されている今を生きている子どもたちにとって、大人たちのそのような姿がなにより必要だと感じています。
みんなの学校は、「おたがいさま」「もったいない」という言葉から、人と人のつながりや地域のつながりを編みなおし、だれひとり取り残さない社会を目指しています。
使わなくなったランドセル、制服、学用品や衣類を寄付回収し、地域の支援活動に役立てます。人と人が優しくつながる喜びが生まれるだけでなく、廃棄ごみが減少することで地球環境にも優しい社会づくりにつながります。この活動を通して、たくさんの喜びを生み出していきたいと考えています。







子どもたちがいつも
私たちの活動
捨ててしまえばごみになってしまうものを、人と人とのつながりや地域社会のつながりを編みなおすための原資として活用します。
使用しなくなったランドセルや制服や学用品、衣類を寄付回収し、必要な方にお届けします。
定期的におゆずり会を開催しています。
SNSを通じて、おゆずり会の日程をお知らせしています。
公式LINEからのお問い合わせなどもお待ちしています。

私たちの思い
ランドセルや制服、学用品などを直接お引き取りにうかがうと、毎回そこにこめられた想いやエピソードを聞かせていただきます。おじいちゃんに買ってもらったランドセルだから、息子とお墓にお礼を言ってきたんですと話してくれたお母さんの後ろににこにこ顔の息子さんがいました。そんな大切なランドセルをおゆずりいただけることにとても感激してしました。お引き取りの際はいつも「また使ってもらえるなんて嬉しいです」という言葉をいただけます。そして、お届けにうかがっても「嬉しいです」とお礼を言っていただけます。私自身が、大切なものをつなぐという活動から、たくさんの喜びと幸せのおすそわけをいただいています。こんな幸せな活動はないと実感しています。どんな時代でも、分け合えれば足りるし、助け合えば生きていけると考えています。使わないけれど捨てるのはもったいないものを、おたがい様だからという気持ちでつなぐ優しい社会を目指しています。
そして、学校の中でおさがりを使うことが当たり前になればと考えています。学校現場にいて、生徒と過ごす何気ない日常にはたくさんの喜びがあふれています。生徒ひとりひとりの個性が大好きです。みんな素晴らしいです。おさがりには傷やほころびがありますが、そこに味や誰かとのつながりを感じます。新品は美しく完璧かもしれません。生徒たちは自分の欠点や短所を見て自信をなくします。しかし、人間に完璧なんてないと思います。生徒は完璧でなくてもいい、おさがりのような傷やほころびといった一見欠点に見えるところがあってもいいと思います。逆に、それが味でありその子の魅力です。そして、他の人とつながる武器になると思います。おさがり
を使うことが当たり前の空間では、完璧だけを正解だと考えてジャッジせず、おたがいをそのまま認め合える優しい場所になると思います。
新品を買うことや捨てることに加えて、だれかにつなぐという選択肢が増えることで、幅のある選択をすることができ、多様性も尊重でき
る社会を目指しています。
